イソルダの伝言
ホワイトランの酒場で気分転換も兼ねて仕事を受けてみた。どうやら最近、巨人が悪さをしているらしく退治してほしいということであった。場所は眠り木の野営地の洞窟だった。
あちこちの洞窟や遺跡で強敵と戦ってきたこともあり、巨人ぐらいは倒せないとと思い挑戦の意味もあり仕事を受けたわけだが、果たして力が通じるだろうか。
眠り木の野営地の洞窟はホワイトランの南西に位置する。近くには他の巨人の住処もあるが縄張りのようなものがあるのだろうか。
洞窟の周りにも当然巨人、そしてマンモスがいたがなるべく見つからないように洞窟へ入る。中には1体ほど巨人がいた。外と違い地の利がほとんどない。実力だけが勝負の行方を左右するのだ。
まずは気づかれない場所から弓で一撃を加える。すぐに巨人は気が付き、こちらへ向かってくる。魔法に切り替え追撃を行う。葉隠も援護をしてくれ始める。
さすがに巨人の攻撃だ。地面を打つだけの攻撃が振動で体勢を崩しそうになる。あの攻撃に当ってしまえば大ダメージは確定だろう。狭い洞窟内を左右に動きながら少しずつだが巨人にダメージを与えていく。
葉隠が巨人の一撃を一発貰ってしまった。私と違い戦士ということもありなんとか耐えたようだが、次の攻撃を喰らわせるわけにはいかない。マジカが残り少なくなってきたため、麻痺の付呪された弓に持ち替え、攻撃を再開する。巨人には麻痺が効きにくいかもと思ったが、何度目かの攻撃で巨人が膝をつく。
そこにトドメとばかり、葉隠の渾身の一撃が討ちおろされる。葉隠が後ろへ下がったのを見計らって火炎球を巨人へ叩きこむ。これが決め手となり、ついに巨人はその巨体を横たわらせた。
戦いの最中は気がつかなかったが、周りを見るとオークが一人死に絶えていた。何か身元の分かる物がないか懐を探ると手紙が1通出てきた。これしか手がかりがなかったので申し訳ないと思いつつも手紙を確認する。
手紙はホワイトランのイソルダからで、オークの名前はウラグ。何やらイソルダと取引をしようとして、その取引商品「樹液」の入手のためにここに来て巨人に殺されたのだろうか。イソルダの名前もあるし、ホワイトランに戻った際に確認をしてみよう。
外に出ると他の巨人がこちらをにらみ付けていた。どうやら仲間に何かあったのを察したようだ。私は今戦うのは得策ではないと考え逃げることにした。しばらく走っていくと巨人も諦めたのだろう追いかけてこなくなった。
ホワイトランに戻った私は仕事の依頼終了をドラゴンブリーチにいるアヴェニッチに報告をしに行き、その足でイソルダの元へ向かった。市場にいたイソルダにウラグの手紙のことを訪ねた。
「そうなの? じゃあウラグはこれを巨人達に渡せなかったのね? 余計に気の毒ね。眠りの木はね謎に包まれているの。分かっているのはこの樹液には洞窟のトロールのように元気にさせ、酔っぱらったホーカーみたいにのろまにさせる効果があるって事ぐらいね。それといいお金にもなるわ。
そうだわ、もし樹液を見つけたら彼に提示したのと同じ金額を払うわ。他ではこんなに出してくれないでしょうね。」
これ以降、眠りの木の樹液を1個150ゴールドで買い取ってくれるようになります。
ウラグの死についてはあまり悲しそうな風ではなかった。あまり親しくはない間柄だったのであろう。商売相手だとすればそういうものなのかもしれない。私は洞窟で見つけた樹液を1つほどイソルダへ渡しお金を受け取りその場を後にした。