Beyond the Bridge

 ローグライクRPGであるBeyond the Bridge。ベースは「Moria(モリア)」というゲームだそうです。こちらは1983年に登場しています。現在はGitHubでWindows版、Mac版を入手できます(当然ですが英語版です。ただソースも配布しているのでC++の知識があれば日本語化も可能かも)。

 さて、Beyond the BridgeはテキストベースだったMoriaをグラフィカルにしクォータービューにしたものです。オリジナルはプレイしたことがありませんが、プレイしたことがあるローグと比べるとクラスの概念があったり、アイテムが名称未設定で発見することがない(確定名で落ちています)、また飢餓の概念もありません。ただしダンジョン内で死ねばそのキャラは永遠に失われますが、Vault(保管庫)というものがあり、最大12個までアイテムを保存しておくことができます。

 新規ゲームを開始するとキャラメイクですが、名前を付けクラス(Villager、Ranger、Warrior、Rogue、Wise)を選択するだけです。最初はVillagerしか解放されておらず、ゲームを続けていくことで解放されるようです(条件はヒントなしです。自分でなんとかしたい人は見ちゃだめよ。解除方法:Rangerは遠距離攻撃でクリティカルを出したら、Rogueは商人から窃盗を出来たら、Warriorは恐らく最下層にいるボスを討伐したら、WiseIlluminatorに魔法の書を販売したら)。ダンジョンに入ると小さな部屋に放り込まれ、そこにVaultとNPC2人が佇んでいます。前回死んだときに入れておいたものが入っていますので最初は空っぽです。NPCはIlluminatorとApothecaryで前者は今のところ不明、後者は鍵とポーションを販売していますが、わずかなお金しか持っていないためわずかなものを購入することしかできません。

 樽の中には稀にアイテムが入っていることがありますが、ほとんど何も入っていないと思っていいでしょう。扉の前には鍵があるので拾って先に進みます。扉は施錠されたものがほとんどで鍵(扉にも収納箱にも共通)を使用するかピンキングをするしかありません。ピッキングは1回しかチャレンジできず、どちらも稀にファンブルがあり開かなくなります。ただ扉は周囲の壁を武器で掘ることで進めることもあります。ただしこちらも武器が壊れる可能性があるのでメインの武器ではなく拾った武器で試すのが吉。また無理にその扉を通らなくても別の道から進めることが多いので扉は気にしなくてもいいかも。ただし収納箱は開かなくなるとどうしようもなくなるので注意が必要(とはいえ収納箱にレアな装備が入っているかどうかは分からないので挑戦あるのみ)。どちらもピッキングに挑戦することでピンキングできる確率がアップしていくので挑戦することは必要です。その先にはモンスターが1匹配置されているので戦闘を体験することができます。その後ろの扉を開ければ後戻りできない階下への階段があり、本格的な冒険が始まります。

 階下からいよいよ本格的な冒険が始まります。ダンジョンはローグライクですので毎回変化します。ローグのように決まった数の部屋があり通路でつながっているというわけではなく、秘密の扉はあるっぽいですがローグのように探しまくる必要はないかも(このゲームは壁を掘ることができます。一定の耐久度を持っていてそれを超えると武器が壊れます。ただし壁の先に道、空間があるとは限らない場合もあるので全体マップを見ながら掘っていきましょう)。後は下へ向かう階段を探しつつダンジョンを徘徊しモンスターを倒してレベルアップやアイテム探しをします。モンスターと遭遇するとターンベースになりますが、1マスずつではなくキャラやモンスターに設定されている歩数分で1ターンとなります。そのため、あっという間に敵が近づいてきます。弓の優位性がほとんどないかもしれませんが、1回程度は攻撃できることがあるのでダメージさえ与えられれば近接職よりは扱いやすいと思います。またヒューマノイド系モンスターは所持している武器をそのままドロップするので持てるだけ持っておきましょう。中にはいいものがあると思いますので装備しているものと交換することを忘れずに。

 ダンジョン内にもNPCが配置されていますが当然ランダムです。NPCは売買が出来たり、装備の強化、アイテムの付加能力の変更などができるものもいます。狙って会えるわけでもありませんし、費用もかかりますので上手に使うには持ち物が一杯で見逃したアイテムを取りに戻り売却したり、階下に向かってお金を貯める必要もあるかもしれません。移動は全体マップ(自分が通ったことがある場所またはアイテムのマップを使用したら全マップが取得できますが、鍵のかかっている扉があり、その先への迂回路がない場合は表示されません)を使って自動移動できますのでそこまで苦にはならないと思います。

 武器での攻撃以外にも魔法があります。Villager、Ranger、rogueは3つ、Warriorは1つ、wiseは5つまで覚えることができます。魔法はマジックポイントなどはないため無制限に使用できますが、詠唱率(武器でいうところの命中率)があり、必ず成功するわけではありません。命中率や詠唱率はレベルアップで得られる属性ポイント(1レベルごとに3ポイント)を割り振ることで上げていきます。また装備の付加能力でもあがります(付加能力はマイナス値が付くこともありますが)。魔法は落ちている本を読んで学ぶことができます。また同じ魔法が見つかった場合、もう一度読むと魔法のレベルが上がります(Fireball I→Fireball IIのように)。

 装備はアクセサリー(ネックレス/ペンダント、指輪)、武器(両手、片手+盾)、防具(頭、胴、脚)です。アクセサリーは個人的には能力値が上がるものを残した方がいいかもしれません(武器や防具は必要な能力値が決まっているため、強い装備をVaultに残しても最初は能力値不足で装備できないため)。

 冒険途中で死ぬとそこでValutに残すアイテムを入れることができます。このここに入れたアイテムは最初の部屋で取り出すことができますが、売ることはできません。またゲームを死んで終了した時点での中身が保存されているため、冒険途中のキャラがいる状態で新規ゲームを始めても前のキャラが削除されるだけでVaultの中身は無事なのでお試しでプレイすることも可能です。

 なかなかやりごたえのあるゲームに仕上がっており、先日のアップデートでローカライズシステムが実装されました(最初の画面は自分で日本語化したものです)。やり方は簡単で一度ゲームを起動して終了します。そうすることで日本語化に必要なファイルがゲームフォルダ内に生成されます。

 まず、language.en.propertiesをコピーしてlanguage.ja.propertiesに変更します。1行目の「lang.name=English」を「lang.name=Japanese」にして、3行目からのテキストを翻訳していきます。ただし日本語はUnicodeエスケープシンスをしたものでなければなりません。変換してくれるサイトやプログラミングに自信があれば変換プログラムを作るのもいいかもしれません。次にengine.propertiesを開いて、lang.available=en,frとなっているものをlang.available=en,fr,jaとします。

 最後にゲームフォルダ内に「fonts」フォルダを作成し、日本語フォントを1つコピーして「8bits.ttf、OpenSans.ttf、roboto.ttf」の3つのファイルを作成します(日本語フォントの名前をリネームするだけです。メインのフォントは8bit.ttf、OpenSans.ttfはキャラクター情報、roboto.ttfはダンジョンの上下したときに表示される文字になっていると思われます。すべてを日本語フォントにしなければ文字が表示されなかったり文字化けするので注意します。

 後は翻訳さえすれば日本語でプレイできますので時間のある方は挑戦してみましょう(テキスト量は多くありませんが、色の指定が少し特殊な点とフォーマット指定子は%1$dなどの書き方も可能です(詳しくはJavaのクラスFormatterを見てください)。ただ現在私以外の方が日本語化を進めておられるのでもしかしたら公開されるかもしれません。